カメレオンの飼育法


マダガスカル
エボシカメレオン


Yemen
学名 Chamaeleo calyptratus
英名 Cone−head Chameleon



産地  Republic of Yemen イエメン共和国



生息地Map

ほぼ繁殖個体が流通しているが、生息地はアラビア半島の最南端、イエメン共和国。
イスラム社会の国で、乾燥した雨量の少ない地方である。
しかし、地形の要因による湿度の高さから、カメレオンが必要な水分を露などにより摂取していると言う。

エサも豊富とは言えず、彼らは植物質を摂る事で適応していったと考えられている。

他のカメレオン生息地より厳しい環境に慣れたため、飼育が容易となったのであろう。

  
 飼育法 基本的な飼育について解説します
飼育温度
・22℃〜32℃(日中)  ・ 15℃〜22℃(夜間)  
 夏場と冬場は基本温度を変えても良いが、夏季以外はホットスポットを要する。


湿度
1日に最低1回は、なるべく朝と夕方ある程度の湿度を霧吹きで提供する。
蒸れないように通風に配慮する。1日中多湿な環境は避ける。

エサ
コオロギを個体のサイズに合わせて与える。
ヤングの頃から植物食の傾向が強くなり、観葉植物の葉も食べるようになる。
果物なども個体によっては好む事から、積極的に与えるようにする。

ベビーの頃は食べるだけ与えて良い。
成体は昆虫類の与えすぎにより肥満個体になり、早死にする事がある。
生後1年を過ぎたら、カメレオンの太り具合を観察して餌の量を調節すると良い。

主なエサは・・フタホシコオロギ、イエコ、シルクワーム、バッタ、果物、毒素の無い葉類等。

飲み水
新鮮な飲み水を毎日与える。ドリップ式やブクブクでも良いが、朝夕の霧吹き
は欠かさないようにしたい。

繁殖
本種の繁殖は比較的容易な事から、ペア飼育することが多いと思われる。
繁殖に際して注意事項があるので、参考にしていただければ幸いである。

生後1年未満の個体は、雌雄同居させないようにする。(最低10ヶ月は必要)
本種のメスは生後6ヶ月を越すと交尾をしなくても無精卵を持ちやすい。
しかし、飼育下での6ヶ月個体は性成熟しているようでもあるが体の準備が整っていない。
その状態で卵を持つと、母体に負担がかかりマレに産卵障害を引き起こすことがある。
これは、お見合いなどでオスを意識した個体にも見うけられるため、なるべく離して飼育したい。

全ての個体がこの限りではないが、無用なリスクは排除しメスを大切に育てる事をお勧めする。

成体のオスはメスに対してとても乱暴な行動をとる。
メスの受け入れ態勢が整っていれば直ぐに交尾に至るし、メスの拒否はかなり強烈。
お互いが一歩も引かない時は、直ぐに分けてあげたい。
繁殖にはタイミングが必要であるが、時折お見合いさせておけば交尾は成功すると思われる。

妊娠したメスは、体色を変化させ直ぐにそれと分るようになる。

約1ヶ月の妊娠期間を経て、予め用意された産卵床を掘り20個〜40個の卵を産卵する。

孵化までの期間は管理温度に左右される。卵は26℃〜28℃の範囲で管理する。
無精卵は直ぐにカビが生えるので取り除く。
6ヶ月〜10ヶ月で孵化に至る。


生後1ヶ月を超えた頃のエボシカメレオン。
孵化後より明るいグリーンの体色を表し、成長過程においても基本的に変化は無い。
カメレオンの特徴である体色変化は成体のメスに現れる。
メスは警戒色の暗色化や妊娠した際などに水玉模様となる個体が多く、とても美しく素晴らしい。
ヤング個体。
雄の体色は、グリーン基調とややブルーに変化する個体がある。
繁殖個体では黄色味かかった個体群もあり、それぞれ商品名が付けられている。